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バックナンバー Index

 Paragraph  2023 バックナンバー

 

   2023年 12月号

11月2日、27年ぶりにビートルズが新曲「Now And Then」をリリース。故ジョン・レノンの歌声だけをテープからAIで取り出し4人の演奏を完成▼6日、国立科学博物館はクラウドファンディングが5.7万人参加し9.2億円となり、返礼品代を引いた6億円を活用すると発表▼8日、飯倉公館でのG7外相はガザ地区へ支援物資を運ぶ為の「人道的休止」支持を共同声明▼16日、大谷翔平選手が大リーグMVP受賞▼17日、APEC首脳会議で「持続可能な貿易・投資取り組み」を採択▼20日、日経平均株価は一時3万3800円台で33年ぶりの高値▼24日、大阪公立大などの国際研究チームが宇宙から地球に降り注ぐ極高エネルギー宇宙線の観測に成功。「アマテラス粒子」と命名しサイエンス誌に掲載▼29日、今年度の補正予算成立。一般会計総額13兆1992億円。財源の7割近は国債を追加発行▼武蔵野台地最東部の一つの飯倉台地は、東京タワーから一気に東京湾に下る。写真の東京タワー後の緑地は増上寺、芝公園(旧豪族古墳群)、丸山古墳(5世紀・縄文後期)。伊勢神宮へ神饌を収める「飯倉御厨」は吾妻鏡(1184年)に記され、その百年前の飯倉神明(芝大明神)時に創設ともされる。24日開業の麻布台ヒルズ内の、日本最高330mの麻布台ヒルズ森JPタワー地は、4年前まで1930年(昭和5年)竣工の旧逓信省貯金局庁舎、建物敷地面積2万2,209u(6,730坪)の鉄筋コンクリート5階建ての古典主義建築の建物があった。時代と共に名称を変え1945年(昭和20年)東京大空襲後には麻布郵便局も入居。アールデコ様式の6本の円柱を通り10段の階段を上がり、波形の角柱から建物内に入った。明治大正時代は紀州徳川家邸宅で一般公開された「南葵文庫」「南葵楽堂」があり、関東大震災後に書籍は東京大学、パイプオルガンは東京芸術大学へ寄贈。邸宅は大磯に移転し、その後熱海でホテルとして現存。何もかも新くなる中、大切に残され嬉しく思う。<写真:カーソルを合わせ題名表示>

「麻布台ヒルズより東京湾を臨む」(港区・東京)

「麻布台ヒルズより東京湾を臨む」(港区・東京)

「丸山古墳とレインボーブリッジ」(港区・東京)

「丸山古墳とレインボーブリッジ」(港区・東京)


 

   2023年 11月号

10月1日より請求書に発行事業者登録番号及び消費税率を明記するインボイス制度開始▼1日、大谷翔平選手(29)がアジア人初のアメリカンリーグホームラン王に。バッター3部門でもタイトル獲得▼2日、ノーベル生理学・医学賞は、新型コロナmRNAワクチン基盤技術開発のペンシルベニア大学のカタリン・カリコ教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)が受賞▼3日、1年ぶりに1ドル150円代の円安に▼ベルギー・アントワープ世界体操は、3日男子団体が8年ぶり7度目優勝。5日個人総合は橋本大輝選手(22)が2連覇▼7日、アフガニスタン西部にてM6.3。その後も11日、15日と強い余震が続く▼7日、パレスチナ自治ガザ地区の「ハマス」がイスラエル側を攻撃。イスラエルも反撃し戦闘が続く▼8日、谷村新司氏死去(74)。「昴」など広くアジアでも歌われている▼11日、藤井聡太七冠(21)が史上初の「八冠」達成▼20日、上皇后美智子様89歳の誕生日。1998年IBBY(国際児童図書評議会)ニューデリー大会で紹介された愛読書新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」は、背中の殻に悲しみが詰まっているのに気づくが、皆背負って居ることを知り生きる決断をする物語。美智子様の殻はどれほど大きいのだろうか。上皇様がそっと助けて下さったのだろうか。80年前に羽根田弥太博士がシンガポールで発見して以来となる、タイ・チュラロンコン大学と中部大学が発見した5種類の「発光カタツムリ」の、美しい緑色が悲しみの色に見える▼27日、国連はイスラエルとハマス双方に「人道的休戦」決議案を採択▼明治6年1月に公園設置の太政官布達があり、東京は10月19日に上野、芝、飛鳥山、浅草、深川の5カ所の社寺境内に「太政官布達公園」を開設。今年は150周年のイベントが行われた。同年に全国で25の公園が造られ、明治20年には計81カ所となり「公園創設時代」と呼ばれる。30日夜の芝公園には外国人親子が沢山集まり、ハロウィンに興じていた。この平和な時間が世界中に広がって行くよう願い祈る。<写真:カーソルを合わせ題名表示>

「都立公園150周年記念」(芝公園・港区)

「都立公園150周年記念」(芝公園・港区)

「都立公園150周年記念」(芝公園・港区)

「都立公園150周年記念」(芝公園・港区)

「都立公園150周年記念」(芝公園・港区)

「都立公園150周年記念」(芝公園・港区)


 

   2023年 10月号

9月1日、関東大震災から100年。ハンモックに寝かされていた生後半年の義母は、「抱き取るのが大変だった」と常々親に聞かされた、と今年も元気に語る▼7日、「HーIIA」ロケット47号機は、搭載のX線天文衛星「XRISM(クリズム)」と月探査機「SLIM(スリム)」の軌道投入成功▼8日、福井県勝山町で発見された恐竜化石が、新種の草食系オルニトミモサウルス類と判明し学名「ティラノミムス・フクイエンシス」と学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表▼8日、台風13号で各地に線状降水帯発生。福島県など大きな被害が出る▼8日夜、モロッコにてM6・8。3千人死亡し5万棟被害15日、日本政府は総額300万ドル(4.4億円)の支援決定▼9日、第80回ベネチア国際映画祭で濱口竜介監督が銀獅子受賞▼10日、リビアにて暴風雨でダム2つ決壊。死者5千人以上、避難者4万人以上。国内情勢悪化もあり20年メンテナンスをしなかったのが原因とされる▼12日、オランダで3年前盗難のゴッホ「春のヌエネンの牧師館の庭」(約9億円)が美術探偵アーサー・ブランド氏から美術館へ戻される▼13日、第2次岸田改造内閣発足▼19日、国連にてウクライナのゼレンスキー大統領が出席し「団結と支援」を演説▼22日、男声コーラス「ダークダックス」の最後のメンバー「ゾウさん」こと遠山一氏死去(93)▼29日、4年前まで「我善坊町」と呼ばれた空に中秋の名月が昇った。北に仙石山の高台、南に飯倉台地に挟まれた東西200mの谷間で、江戸時代は与力が住む御先手組屋敷地。落合坂の左右南北に20mほど幅2mの路が何本もあり消防自動車が入れなかった。大正初め頃は岩野泡鳴の下宿屋や正宗白鳥の家があり、永井荷風は妾宅「壺中庵」から我善坊谷坂を上がり市兵衛町の「偏奇館」へ帰った。写真を撮った辺りが坂の上で、皇女和宮が明治10年まで住んだ「静寛院宮」。嘗ては知人宅があり坂を下り遊びに行ったが、今は11月にオープンを待つ建物が燦然と並んでいる。<写真:カーソルを合わせ題名表示>

「我善坊谷の中秋の名月」(港区・東京)

「我善坊谷の中秋の名月」(港区・東京)

「我善坊谷の中秋の名月」(港区・東京)

「我善坊谷の中秋の名月」(港区・東京)

「令和5年の中秋の名月」(港区・東京)

「令和5年の中秋の名月」(港区・東京)

 

   2023年 9月号

8月6日広島、9日長崎に78年前に投下された原爆記念日。松井一實市長(70)、鈴木史朗市長(56)は共に被爆2世。核を捨てたウクライナが現状を悔やむ時代にあって、それでも核は捨てねばならぬと語る▼7日、国立科学博物館は、500万点以上の標本・資料の保管管理の光熱費だけで今年度2億円増に当たり、1億円目標のクラウドファンディング発表。同日夕方5時過ぎには1億円は集まり、31日迄に4万5千人が7億円支援。ニューヨークの博物館は映画「ナイトミュージアム」に使われ、歩くだけで映画のシーンを思い出し楽しい。日本も映画やアニメの舞台になればもっと来場者が増えるのではと思う▼8日、ハワイ・マウイ島で山火事発生。焼失面積は約9平方qで東京23区の1.5倍。死者115人、行方不明1300人以上▼23日、107年ぶり慶應義塾高校が甲子園優勝▼24日、福島原発処理水放出開始。トリチウム濃度を11個所で測定し毎日発表。東京電力は放水口付近も含め3キロ以内で10個所。31日まで排水停止の最大濃度700Bq/L(ベクレル/リットル)に対し5〜8未満。環境省や福島県もセシウムを含め低い数値となり、水産省は4キロ付近でヒラメやホウボウを解析し未検出。これを機に他国も定期的にモニタリングし数値の公表を望む▼27日、古川聡宇宙飛行士(59)は米・露・デンマーク人と4人でISS(国際宇宙ステーション)に到着。半年間の滞在予定で月での水再利用を想定した実験や、微小重力環境での物理現象の観測を行う▼29日、木星で衝突閃光があり、清野和裕さん(73)らアマチュア天文家達が動画など京大に資料提供。29年間で10回観測され過去最大の明るさ。解析結果はこれからだが半月位かそれ以上に明るかった可能性がある▼29日、独・バイエルン図書館は北斎「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を数百万ユーロ(数億円)で購入。2025年の日本版画展で展示予定▼七夕の最初の思い出は2歳か3歳の時に祖母の背中で見た仙台の七夕。叔母の指さす方を見上げた大きな吹き流し。祖父母は東京に戻り、阿佐ヶ谷七夕は昭和29年の第1回から見に行った。4〜8日は4年ぶりの再開に前に歩けぬほどの大盛況。アーケード天井がない頃は見上げると夜空があったが、今は何もかも明るく輝いていた。<写真:<カーソルを合わせ題名表示>

「阿佐ヶ谷七夕」(杉並区・東京)

「阿佐ヶ谷七夕」(杉並区・東京)

 

   2023年 8月号

北アメリカ大陸のカナダ・アメリカ西部を北西から南東に4800km続くロッキー山脈を、移民が初めて越えたのは230年前の7月20日。米国側は北部・中部・南部の3つに分けられ特徴も大きく違う。中部にある「グランド・ティトン国立公園」は、4000m近い山が64km連なるティトン山脈があり、「アメリカで最も美しい国立公園」と称される。写真のグランド・ティトン山は4197mで一番高い。1万1千年前には既に先住民が住み、野生動物や魚や木の実を穫り、冬は南に移動した。写真手前のジェニー湖は1863年に入植した毛皮商リチャード・リーの先住民の妻の名前で、一家の住まいは右隣のリー湖付近にあった。映画「シェーン」はこの地で撮影され、今も同じ雄大な風景が広がっている▼北隣のイエローストーン国立公園の面積は7倍近く、溶岩台地で多くの温泉、間欠泉があり、野生動物たちは自由に行き来している。中でもバイソンやエルクは人を恐れず群れでのんびりと移動している。両公園1万平方qは「大イエーローストーン生態系」に分類され、貴重な温帯生態系として1976年にユネスコが生物圏保護区に指定。この様に自然が守られたのはロックフェラー2世の20年以上の努力によるという▼7月1日、オランダのウィレム=アレクサンダー国王は奴隷制度廃止式典にて過去を謝罪。スリナム(オランダ領ギアナ)での廃止から150年を記念し1年間様々なイベントを開催予定▼4日、国際原子力機関(IAEA)は福島原発の処理水は、国際的安全基準に適合すると公表▼13〜16日までパリにて「第22回ジャパン・エキスポ」開催。25万人来場し古典文化・芸能からマンガ・アニメや日本食など人気を博す▼16日、ウィンブルドン車いす男子シングルで小田凱人(ときと)選手が17歳69日で優勝し、世界ランキング1位。共に最年少記録更新。6月の全仏も優勝している▼16日、環太平洋経済連携協定(TPP)に英国が正式加盟▼19日、芥川賞・市川沙央氏(43)、直木賞・垣根涼介氏(57)、永井紗耶子氏(46)受賞。市川氏は幼少期に筋疾患先天性ミオパチーと診断され、14歳から人工呼吸器を使用。家で出来る仕事として20年ほど前に小説家となった。昨年初めての純文学、重度障害者が主人公の「ハンチバック」を執筆し、文學界5月号で新人賞に続く受賞。内容は重いのだがユーモアを交ぜさらりと語られている。会見では本の中でも語られていた、「読書へのバリアフリー」を強く訴えた▼21日、米政府はオープンAI、グーグル、マイクロソフトなど7社と、生成AIの安全性確保のルール導入合意を発表。学習データから文章や画像、音楽などを作り、本物との見分けが難しい事が懸念されおり、迅速な対応が迫られている。日本も今月に入り学校関係を含めてさまざまな発表がされた。科学の進歩に人間が振り回されているのだろうか。<写真:<カーソルを合わせ題名表示>

「アメリカバイソン」(グランドティトン国立公園・USA)

「アメリカバイソン」(グランドティトン国立公園・USA)

「ミュールジカ」(グランドティトン国立公園・USA)

「ミュールジカ」(グランドティトン国立公園・USA)

「Morning Glory Pool」(イエローストーン国立公園・USA)

「Morning Glory Pool」(イエローストーン国立公園・USA)

「Norris Geyser Basin」(イエローストーン国立公園・USA)

「Norris Geyser Basin」(イエローストーン国立公園・USA)

 

   2023年 7月号

6月1日、藤井聡太六冠が名人戦を勝利し、20歳10ヵ月最年少で羽生善治会長以来の七冠達成。5日は棋聖戦第1局をベトナムで▼6日、ウクライナ南部ヘルソン州のカホフカ・ダムが決壊しドニプロ川が氾濫。農地や住宅地が水没し地雷も流出。ザポロジエ原発の冷却水としても使用されていた▼7日、カナダ・ケベックの森林火災の煙が気流に乗り、ニューヨークの空がオレンジ色に。街中焦げた臭いと共に視界が遮られ学校や空港、MLB試合にも影響。1週間程で終息▼14日、EUの欧州議会は生成AIを含むAI規制法案を採択▼15日、東工大と海洋研究開発機構は土星の衛星・エンセラダスから地球生命の必須元素リンの異常濃集を発見し、英・ネイチャーに掲載。地球生命誕生の場の特定が期待される▼16日、としまえん跡地にハリー・ポッターのテーマパーク開業▼17〜23日迄、天皇皇后両陛下は、外交関係樹立65周年のインドネシアへ親善訪問▼18日、111年前に海底3,800mに沈没したタイタニック号残骸ツアーの潜水艇タイタンが音信不通。米・加・仏・英合同捜査で、22日、圧壊による全乗客5人死亡発表▼世界一深く潜水できた1989年進水の「しんかい6500」は他国規定なら8千mまで潜れるが安全性を重んじている。2015年からの「しんかい12000」構想は予算が付かず、昨年は米・潜水艇で1万mの超深海を調査。地震国の調査の為に早期実現を望む▼21日、入管法案やLGBT法案等採択し通常国会閉幕▼21日、ハーブ研究家ベニシア・スタンリー・スミスさん死去(72)。京都・大原での古民家暮らしは多くの人を魅了した▼26日、カナダ山火事の煙がスペインにも到達。28日、米国は五大湖沿岸と中西部の12州に大気汚染警報発令。30日の大気汚染都市は1位トロント、5位ニューヨークと影響が顕著に。気候変動への取り組みが必須となっている。<写真:「霞むニューヨーク大学付近」(マンハッタン・USA)<カーソルを合わせ題名表示>

「霞むニューヨーク大学付近」(マンハッタン・USA)

 

   2023年 6月号

5月1日、米ファースト・リパブリック銀行が経営破綻。米銀破綻は3月以降3件目▼2日、JAL、ANA、JR3社の3月期決算は3年ぶり黒字転換▼5日、石川県能登・震度6強。月末までに震度1以上は121回▼5日、WHO(世界保健機関)は3年3カ月間の新型コロナ緊急事態宣言終了を発表。日本は8日から季節性インフルエンザ等同等の5類へ移行し、ウイズコロナの幕開けへ▼6日、ロンドンのウェストミンスター寺院にてチャールズ3世(74)戴冠式。1千年の歴史の儀式をライブで見る▼15日、フランス文化庁はパリのポートロワイヤル駅拡張工事で、BC250年頃からシテ島中心に住んでいたパリシイ族の墓地遺跡から、男女や子供の50の埋葬発掘を発表。ギリシャ神話に因む冥界のカロンへのコイン(三途の渡し銭)等から1〜4世紀頃とされる。BC52年にシーザーに征服され、「ガリア戦記」には『自ら家を燃やした』とあり殆ど資料が無かったが、パリの名前の由来となっている。「古代パリの解明の幕開け」と期待されてる▼19〜21日、広島G7サミット。グローバル・サウス8ヵ国(インド、韓国、オーストラリア、ブラジル、インドネシア、ベトナム、コモロ・アフリカ東部、クック諸島)首脳とウクライナのゼレンスキー大統領も来日。広島の復興した街並みが人類の希望への道になれればと願う▼26日、日本地球惑星科学連合の学会にて「北海道石」・学名「hokkaidoite」の発見と国際登録を発表▼庭の「匂い番祭り(ニオイバンマツリ)」が咲き出した。紫の五弁の花弁が開くとジャスミンの香りがし、徐々に紫の色が抜け白くなり、やがて萎びて茶色になるが香りは変わらない。40年程前に日本のプロペラ機「YS11」に乗りたくて八丈島に行った。宿の庭に良い匂いのする木があり名前を尋ねると「ジャスミン」と。一株庭に植えると大きく育ち、芳香に惹かれ呼び鈴を鳴らして名を尋ねに来る人もいた。今年は少し元気がない。目の前の都市開発の建物群で、風の流れが変わったのだろうか。<写真:「ニオイバンマツリ」(港区・東京)<カーソルを合わせ題名表示>

「ニオイバンマツリ」(港区・東京)

「ニオイバンマツリ」(港区・東京)

 

   2023年 5月号

4月1日、福島県富岡町の特定復興再生拠点区域(除染やインフラ整備)の避難指示解除。震災後も12年間変わらずに咲いた夜の森の「桜のトンネル」に多くの人が訪れ賑った。避難指示等区域は県土の約12%から約2.3%へ▼同日こども家庭庁発足▼4日、NATO(北大西洋条約機構)はフィンランドを正式加盟▼5日、畑正憲氏死去(87)。ムツゴロウ先生から動物と命の大切さを学んだ▼9日、植田和男(71)氏が日銀総裁就任▼12〜13日にかけ日本列島の広範囲に黄砂飛来。東京でも視程15qに▼15日、岸田文雄首相の和歌山・衆院応援演説にて爆発物が投げ込まれる。犯人は逮捕、首相は無事避難▼16日、ニューヨーク・ブロードウェイのミュージカル「オペラ座の怪人」が35年間、約1万4千回で終演。1986年初演のロンドン・ウエストエンドは継続公演中▼16〜17日、岸田裕子首相夫人はバイデン夫人に招待されホワイトハウスで桜の植樹など行う▼17〜27日、第20回上海モーターショーが開催。日本各社も新型EV発表▼29日、スーダンから退避日本人とその家族48人が羽田空港に到着。15日内戦から各国の避難が続いている▼ナイル川の源流、青ナイルと白ナイルの2つの川が合流するスーダン。エジプトに占領された時代も占領した時代もあり、ピラミットの現存はエジプトの倍の255以上。内戦や貧困の中も遺跡発掘が続けられ、2月に都市遺跡オールド・ドンゴラでファラオの象形文字の碑文石のブロック発掘発表もあった。古代クシュ王国は旧約聖書「創世記」にも記され、5世紀にキリスト教が信仰され16世紀イスラムの建国まで続いた。寺院にイエスやマリアの壁画も現存する。遺跡発掘の人々や見学の人々の誇りに満ちた嬉々とした笑顔を再び見たい。<写真:「オペラ座の怪人」Final Performance APRIL 16 2023(ブロードウェイ・ニューヨーク)<カーソルを合わせ題名表示>

「オペラ座の怪人」Final Performance APRIL16 2023(ブロードウェイ・ニューヨーク)

「オペラ座の怪人」Final Performance APRIL16 2023(ブロードウェイ・ニューヨーク)

 

   2023年 4月号

3月4日、ニューヨークでの海洋冒険の最高栄誉賞「ブルーウオーター・メダル」授賞式にて、堀江謙一氏(84)は「69年の節目で誇りに思う」と挨拶。昨年世界最高齢でサンフランシスコー和歌山県沖69日間8500kmを世界最高齢で小型ヨットによる単独無寄港太平洋横断航海等を評価▼7日、H3ロケット試験機1号打上げ失敗、搭載観測衛星「だいち3号」と共に指令破壊。予算を含め日本の技術力を大切にしたいと願う▼10日、金利高の影響で米シリコンバレー銀行が経営破綻。8日のシルバーゲート・バンク、12日のシグネチャー・バンクの3銀行の預金全額保護を米政府発表▼14日、巨額投資損失でクレディスイス銀行危機が報道。19日、政府介入もありスイス最大銀行UBSが買収▼17日、車いすテニス・国枝慎吾氏(39)の国民栄誉賞表彰式。パラ選手は初▼19日、将棋の藤井聡太竜王が棋王を奪還し、羽生善治九段に次ぐ史上二人目の六冠。最年少記録も20歳8カ月と更新▼21日、WBC優勝。侍ジャパンの活躍に東京ドームの9日の第1戦から日本中が沸く▼27日、文化庁が京都にて業務開始。中央省庁初の地方移転▼28日、音楽家・坂本龍一氏死去(71)。昨年文芸誌「新潮」7月号に『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』の題名で癌ステージ4を発表し半生を本年の2月号まで8回連載。闘病中も全ての仕事を最後まで全うし旅立った▼春分の日に訪れた神代植物公園は60種類600本の桜が咲き誇り、花桃やアーモンド、木蓮等も桜色の花片を広げていた。多くの人がカメラを向けていたのは「神代曙(ジンダイアケボノ)」の原木。1912年にワシントンのポトマック川畔に寄贈した染井吉野(ソメイヨシノ)が現地交配し「Akebono」と名づけられ、1965年に6本が同植物園に逆輸入し「アメリカ」と呼ばれている。その1本の接ぎ木が新種と判明し1991年に「神代曙」と命名。染井吉野より花の色が濃く小房が際立ち樹形は小ぶり。病害に強く近年の植樹に使われている。桜並木はこの木に替わって行くのだろう。幽玄は染井吉野こそ相応しいと思うのだが。<写真:神代曙・神代植物公園(調布市・東京)カーソルを合わせ題名表示>

「神代曙」・神代植物公園(調布市・東京)

「神代曙」・神代植物公園(調布市・東京)

神代植物公園(調布市・東京)

 

   2023年 3月号

2月4日〜11日迄、第73回札幌雪まつりは3年ぶりの会場開催で賑わう▼5日、グラミー賞で宅見将典(44)が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞。小川慶太(40)も3度目の受賞▼6日、トルコ・シリアにてM7.8の地震。大きな余震も続いた。日本は同日国際緊急援助隊・救助チームを現地に向け派遣。両国の死者は5万人を越えトルコの建物倒壊は21万棟以上▼6日、囲碁の仲邑菫三段が史上最年少13歳11カ月でタイトル獲得▼13日、「銀河鉄道999」等の漫画家松本零士死去(85)。「星の海に旅立ちました」とご長女報告▼17日、「チョコレート工場の秘密」等のロアルド・ダールの童話13冊再出版に当たり、不適切表現数百カ所の変更を発表。スナク首相やカミラ王妃も修正を批判し、24日オリジナルで出版決定▼23日、国連総会は緊急特別会合を開き、ロシア軍の即時無条件撤退等を141カ国の賛成で採択。林芳正外務大臣は、常任理事国が侵略し領土を奪った後の和平提案は許されず、平和とは国連憲章の原則に基づくものであり、侵略戦争が2年目を迎えぬよう国連強化の必要を強く訴える▼28日、コンピュータビジョン分野主要国際会議(CVPR2023)で大阪大学・高木優助教、西本伸志教授の「ヒト脳活動の画像生成」の論文が採択▼2月に訪れたニューヨークのロシア人街、マンハッタンから地下鉄で40分のブルックリン南端のブライトン・ビーチは、駅を出るとロシア語或いはウクライナ語しか聞こえない。昼下がりキリル文字看板の店先を恰幅の良い年配の女性達がゆったりと歩き、キリル語絵本が並ぶ。去年はウクライナ国旗が彼方此方にあったようだが、今は見当たらない。冬のブライトンビーチは人気が無く、男性が一人カモメに餌を与えていた。嘗てソ連から渡った人々が「黒海の真珠」と呼ばれる港街を想い「リトル・オデッサ」と名づけ、ロシア人とウクライナ人が共存する街。平穏に見えるが人々はどの様な思いで暮らしているのだろう。<写真:カーソルを合わせ題名表示>

「ブライトン・ビーチ」(ニューヨーク/U.S.A.)

「リトル・オデッサ」(ブライトンビーチ・ブルックリン/ニューヨーク)

 

   2023年 2月号

1月1日、ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートは15曲中の14曲初登場。次男ヨーゼフの曲は8曲。幼少から音楽的才能の評価が高かったが工学技士となり、兄ヨハンの療養中代理で音楽家に。43歳で亡くなり紛失していた楽譜も多く、今回の演目のため発掘に奔走したという。病弱で目立つことの嫌いだった彼の音楽は純粋で美しい。又、ウィーン少女合唱団が初登場し、少年少女混声合唱の歌声も楽しむ▼5〜8日、米ラスベガス・ハイテク技術見本市「CES2023」にてキヤノンのウェブ会議ソリューション「AMLOS(アムロス)」がベスト・オブ・イノベーション受賞▼12日、作家精神科医の加賀乙彦氏(93)死去。同じ船で仏留学した辻邦生氏の作品と共に夢中になって読み、ネットのない時代、海外情報はその様に得た日々を懐かしむ▼17日、「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」へ。作品を前に人類はどう進むべきか改めて考える▼18日、産業技術総合研究所(産総研)は光を99・98%以上吸収する「至高の暗黒シート」開発し、米科学雑誌Science Advancesに掲載。カメラなどへの商品化に着手している▼19日付2022年度貿易収支は19兆9千7百億円の過去最大赤字。ウクライナ侵攻での資源価格の高騰と円安が影響▼22日、車いすテニスの国枝慎吾選手(38)引退発表。4大大会で歴代最多50回優勝。パラリンピックで金メダル4個。昨年は生涯ゴールデンスラムも達成した▼25日、奈良市の日本最大円墳・富雄丸山古墳(直径109m、4世紀後半)で、青銅の「盾形銅鏡」(64cmx31cm)と、鉄の「蛇行剣」(237cmx6cm)の発掘発表。国内初かつ最大で国産製とみられる。資料の少ない4世紀の解明に期待▼29日、英ブライトンの三笘薫(25)がマジカル決勝弾。連戦の活躍に熱狂的称賛。筑波大学卒業論文では頭にカメラをつけドリブルの視野を分析▼31日、福島大学等研究チームは奈良公園の鹿の独自遺伝子型を学会誌に発表。春日大社「神鹿」の千年の歴史に日本人が大切に守ってきた物の価値を思う。<写真:「ピカソとその時代」(国立西洋美術館)/カーソルを合わせ題名表示>

「ピカソとその時代」(国立西洋美術館)

 

   2023年 1月号

雲海の下、米国本土最南端のフロリダ海峡水平線から朝日が昇る。飛行機の降りるキーウエストはヘミングウェイの愛した六本指の猫や、野生の鶏が悠然と歩く街。171q先のキューバとは嘗て「キューバ危機」もあったが、今は国交が回復している▼1日、サッカーW杯対スペインは2対1で決勝T進出。三笘薫選手のゴールラインパスはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で1o内認定。5日、クロアチア戦はPK敗退。サポーターの清掃や選手団の礼儀正しさが称賛▼5日、岸田首相は防衛費をGDP(国内総生産)比1%からNATO(北大西洋条約機構)基準の2%へと、五カ年計画で総額43兆円を指示。第二次大戦後、日本が武器を待たねば世界中もなると信じたのは「邯鄲の夢」だったのか▼8日、山形大学坂井正人教授(59)等研究グループはペルー・ナスカで航空レーザー測量とドローンを使い、人間、ラクダ、鳥、猫など新たな地上絵168点の発見を発表。紀元前100年〜紀元300年頃のものとされる。2018年までに190点の地上絵を既に発見▼11日、民間初のアイスペース社の月面着陸船打ち上げ成功▼16日、国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画の閣議決定▼20日、日本銀行は長期金利0・25%から0・5%に引上げ円安是正へ▼20日、アフガニスタンは一昨年の中等教育に続き女性の大学教育停止▼ウクライナ国立バレエ・歌劇場団(旧キエフバレエ・オペラ)181名が来日し、17日から1月15日までバレエ、オーケストラ、オペラを13都市26公演。26日に「ドン・キホーテ」のバレエを観劇。鳴り止まぬ拍手と「ブラボー」の声援とスタンディングオベーション。数え切れないカーテンコールに劇場内の熱気は最高潮へ。それは演技称賛だけでなく平和への渇望と思う。▼28日から30日はウクライナ管弦楽団の「第九」。歓喜の歌は仏革命直前のシラーの詩で、ベートーヴェンが長年温めて作曲した。『喜びの力で時代の波で分断された人々も再び一つになれる。星空の上に住んでおられる父なる神の下で』。<写真:ウクライナ国立バレエ「ドン・キホーテ」(東京文化会館)/カーソルを合わせ題名表示>

ウクライナ国立バレエ「ドン・キホーテ」(東京文化会館)

 

 

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